またえげつないゲームのご紹介です。
こちら。
Darkest Dungeon
ランダム生成される数種類のダンジョンに、4人パーティーで挑んでいきます。
最初に強調しておきたいのですが、このゲームはかなりビジュアル的にグロいです。
血とか内臓とか異形(パーツがいっぱいある系)が苦手な方には全くオススメできません。
ダンジョンによってはそういうのばかり見ることになるので……。
バニラでは4種類のダンジョンを攻略してレベルを上げ、ラスダンであるダーケストダンジョンに挑みます。
初期段階でのキャラクターはレベル0からスタートし、最高レベル5まで上がります。
レベルというよりは、ランクといったほうがイメージしやすいかもしれません。
……というのも、このゲームでは
「難易度の低いダンジョンにひたすら通い詰めて地道にレベルを上げる」
「弱いボスを高レベルのキャラクターでタコ殴りにする」
ことができないからです。
例えばレベル3のキャラクターに対して、「レベル1のミッションに行け」と命じると
「そんなの簡単すぎるんでイヤです」
みたいなことを言われて出発できません。
地味にイラッときます。
この他、ダンジョン攻略のスタンスが独特です。
おそらくローグライクの場合、とても長いダンジョン1つをじっくり攻略していく作品が多数派だと思います。
Darkest Dungeonでは、4種のダンジョンを複数回攻略します。
1つのダンジョンに対し、レベルや目標がランダムなミッションが複数作られるので、それに合わせてパーティーを組んでいきます。
例えば一番簡単だと思われる”廃墟”では、
レベル0・調査(マップの90%を踏破)
レベル1・ボスを倒せ
レベル2・敵の力の源になっているアイテムを破壊しろ
といった感じ。
それぞれのミッションをこなしていくと、ボスもより強くなっていきます。
敵のカテゴリは、バニラでは
人間
ビースト
アンデッド
異形
の4種です。それぞれ、ステータス異常への耐性やHP量・攻撃手段の傾向などで差別化されています。
ダンジョンごとによく出る敵・ほとんど出ない敵といった、出現率の傾向にも差があり、味方キャラクター(ゲーム内では”ヒーロー”)の編成・戦略に直結します。
例えばアンデッドの場合、
・廃墟によく出てくる
・出血(DoTの一種)がほぼ効かない
・でも毒(DoTの一種)は効く
・なぜか死骸(敵を通常の手段で倒すと体が残る)になると出血が効く
といった感じ。
ステータス異常への耐性は戦闘中に表示されるので、割と親切な設計です。
バフ・デバフも表示されています。
気絶している敵に攻撃を避けられることがあるのに、ガードをかけて庇っている敵を気絶させるとガードが解けるという謎
また、クラスによっては特定のカテゴリの敵に対するバフ効果がついた攻撃を持っていることもあります。
これはゲーム中に書かれているので、編成する時に見ると良いかと思います。
ただし行動順はわからないので、味方のHPが低くなっているときは注意が必要です。
全体的に見て、回復手段・回復量があまり多くないゲームなので。
その代わりなのか、バフ・デバフの重要度がかなり高くなっています。
特に、回避は重要です。回避を上げると一気に優勢になることもありますし、回避の高い敵には長期戦を余儀なくされることが多いと思います。
そして、このゲームのもう一つの特徴が「ストレス」です。
書いて字のごとく、キャラクターはさまざまな要因でストレスを受けます。100になると発狂して強烈な行動制限を受けるか、まれに”徳の発動”という強化状態になります。
TRPGに馴染みのある方は、
CoCにおける正気度(SAN値)
ネクロニカにおける狂気点
などを想像していただくと、わかりやすいかと思います。
発狂した場合は、
味方に悪口雑言を吐いてストレスを増加させたり
勝手に順番をパスしたり
自らを傷つけてHPを減らしたり
といった、さまざまな不都合が発生します。プレイヤーのストレスもたまります
徳が発動した場合は、それぞれ逆の状態になります。
味方にポジティブな発言をしてストレスを微減させたり
何らかのバフを付与したり
といった感じです。
この点からも、バフ・デバフの重要性が高いゲームであることがおわかりいただけるのではないかと思います。
ストレス値は
敵がストレス値にダイレクトアタックしてきたり、
敵からクリティカル攻撃を受けたり
すると、ガッツリ上がります。
HPが満タンでも、ストレスが200になると「ハートアタック(心臓発作)」が起きて瀕死になるのが憎らしい。
「ストレスを溜めすぎると体に良くないよ」という開発者のメッセージでしょうか……。
逆に自分が敵にクリティカル攻撃をキメたり、ストレス値を直接回復するスキルもあります。
ごくまれに味方がクリティカルをキメた場面を見たり、味方に回復されてクリティカルが出るとストレス値が減ることもあります。
あまりアテになりませんが
DLCは2種類あり、それぞれ一つずつダンジョンが追加されます。
こちらは私もまだきちんと攻略できていないので、クリアできたら追記します。
少しだけ感想を書いておきますね。
・The Crimson Court(赤の宮廷)
追加ダンジョンでずっと虫の羽音がするのが気持ち悪い。
追加デバフの“赤の呪い”がとてもやっかい。
・The Color Of Madness(狂乱の色)
赤の宮廷よりはプレイヤーのストレスが少なめ。移動がほとんどない連続戦闘に挑めるダンジョンが追加。
いずれも、導入すると各ダンジョンに追加ボスが徘徊するようになるので、よりHPやストレスの回復を意識する必要があります。
一度ラスダンのダーケストダンジョンまでクリアしてから導入するのがいいかもしれません。
クラスだけを追加するDLCもあります。
強いけどデメリットも多い「盾を破りし者(シールドブレイカー)」を追加します。
移動しながら攻撃するスキルの豊富さ、リーチの広さが魅力的なクラスです。 攻撃をブロックするスキルも持っているので、最前線でも活躍できます。
しかし、キャンプ(ダンジョンの長さが普通・長いの場合に使える回復行動)をするたびに悪夢が発生し、強制的に戦闘が1回以上=キャンプの数だけ増えます。
また、その間は盾を破りし者のストレスが増え続けます。
キャンプではストレスやHPの回復が主目的になるため、盾を破りし者のスペックと引き換えと考えるにしても、ややデメリットが大きいかな……という印象。
キャンプを行わない(行えない)短いダンジョンでだけ使う、という方針もアリかもしれません。
こういったゲームなので、プレイヤーとしてもイラッとくる要素が多いです。
ではどうして私がこのゲームを好きになったかといいますと、大きくわけて二つあります。
一つは、
厨二病が炸裂しているナレーション
暗さに応じて盛り上がるBGM
といった、演出面の素晴らしさです。
こういうのがボイスつきで流れます。
BGMについては、文字や画像で説明するのが難しいのですが……暗くなるほど音色・低音とリバーブが増えて重苦しくなっていきます。
どちらも厨二病患者にはたまりません。
もう一つは、割と編成・戦略に自由度があることです。
例えば回復を強く意識する場合、回復手段が強力なクラスを入れますよね。
それにあたるのが修道女と神秘主義者なんですが、それぞれ欠点があります。
修道女の場合は、一回の回復量があまり多くありません。
こまめに回復する
回復スキルを割増するトリンケット(アクセサリー)を装備する
石弓使いというクラスを入れて“戦場包帯法”というスキルで回復量を増やす
これらのうちどれか、あるいは複数やると、安心感が増します。
神秘主義者は回復量がランダムですが、当たれば一気に20ポイント以上回復できることもあります。
体力が多いクラスでも、最大HPが50〜60くらいのゲームなので、これはかなり大きいです。
しかし、神秘主義者は回復する対象に出血デバフを与えてしまうことがあります。極端な話、
回復量→1
出血で毎ターン-1
ということも、割とよくあります。修道女よりギャンブル要素が強いということになりますね。
こちらも対策はあり、
出血を治療できるペスト医師
出血への抵抗(レジスト)をつけられる古物収集家
と組ませると、比較的進めやすくなると思います。
出血状態を治療する”包帯”を多めに買っていくのもいいでしょう。また、自分だけなら出血を回復できるクラスもあります。
……と、こんな感じでパーティーの組み方にかなりの幅があるんです。
実際には、
奇癖(キャラクターの行動傾向を決める性格上の特徴)
各クラスの特性
ダンジョンの傾向(広さ・敵カテゴリの偏り)
なども編成・スキルに絡んできますので、もう少し複雑になります。
複数の点でクセのあるシステムなので、正直なところ、最初のうちは割と理不尽に感じるゲームです。
ダンジョン攻略も単調といえば単調ですし、見た目がグロいので万人向けでもありません。
しかし、
・少し変わったRPGをやりたい
・厨二なナレーションがたまらない
・個々のキャラクターにストーリー性を求めない
・ダークファンタジーが好き
・ローグライクが好き
・戦略をいろいろ考えるのが好き
このどれかにあてはまる方には、とてもオススメです。
Steamでたまにフリープレイになっていることもあるので、スチーマーならその時試してみてもいいでしょう。もちろん、各種セールでもよく対象になっています。